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今日は 2020年7月18日です。
◆答えは現場にしかない(2)
前回の記事で、「業績不振の根本的な原因として最も多いのは、経営の意思決定が現場と離れたところで行われているケース」と書きました。
そもそも何でそうなってしまうのかというと、
・温浴施設は装置産業という思い込み…現場の経営判断が業績に大きな影響を及ぼすことに気づかず、現場はハードを運用するだけの役割だと思っている。
・経営判断を現場に任せない…他業種の一般的な経営知識で判断できるものと思っていたり、そもそも経営判断を任せるつもりで現場に適切な人材を配置していない。
・温浴施設経営リスクの軽視…業績が低迷すると巨額赤字のリスクがあることや、ひとつ間違うと人命を奪いかねないリスクが潜んでいることを理解していない。
といったようなこと。一言で言えば温浴施設経営に対する理解が足りなかったということでしょう。
しかし、このコロナ禍によって、営業の縮小や休止の判断、感染防止対策、新規複合事業への着手、突然の赤字と財務的対応など、平常時の施設運営とは異なる判断を強いられることが連続しました。
現場に遠いところから迅速に適切な判断を下すことがいかに困難であるかを痛感させられた企業が多かったのではないでしょうか。
かといって、これから本社の経営陣や行政の担当者、金融機関などが自ら温浴施設運営の現場に立って陣頭指揮できるのかというと、それも難しいだろうと思います。
そうなると、もっと現場に経営レベルの判断を任せられるようにするしかないということなのです。
億単位の投資をした事業を丸ごと渡して放任できるわけではないと思いますから、責任範囲の分担を見直さなければなりません。現場の裁量権を増やす代わりに大きな責任も背負ってもらう必要があるのです。
それから相互信頼関係を作ること。経営側は現場が温浴ビジネスの専門知識や技術を持って運営に当たっているという理解。現場側は経営者が巨大な事業リスクを負っているという理解。お互いが勉強して理解しあい、信頼関係を作ることが必要です。
これまでのように経営と現場が遠く離れたままでは、この危機は乗り切れないと思います。
(望月)