冷房と暖房?

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今日は 2020年7月16日です。

冷房と暖房?
 政府が観光を促進しようとしている「Go T0キャンペーン」に賛否両論が巻き起こっています。小池都知事は「冷房と暖房の両方をかけるようなこと」と皮肉っているそうですが、そのような国と都の対立構造を見せられても国民はますます混乱するだけで何の解決にもなりません。

たしかに冷房と暖房を同時にかけてもどちらも効かず、電気代が無駄になるばかりですが、正体不明で未体験の新型コロナウイルスに対してどう対処したら良いのか、正解が分からないのは誰も同じです。

だからと言って恐怖におののき萎縮しているだけでは経済危機が拡大してしまい、国民生活が危うくなります。

冷房か暖房か、命か経済かといった二者択一の議論をしている限り、出口は見えてこないのです。出口がないのを分かっていながら意図的に対立構造をつくり出して、そこにスポットをあてるのはまさに茶番。

命は何よりも大切であると同時に、経済だって命の問題。二者択一にするようなことではないのです。

経営においても似たような議論になることがあります。そういう時はアクセルとブレーキといった言葉を使うことが多いのですが、「アクセルとブレーキを同時に踏むのか」といった議論をすることはまずありません。そんな馬鹿馬鹿しいことは元々誰もしないからです。

たいていは、「もっとアクセルを踏み込んでスピードを出そう、ただしカーブの手前ではしっかり減速しないと危険」といったテーマを話し合っています。

アクセルとは、投資、人の増員、販売促進といった攻めの部分であり、ブレーキとはマネジメント、コストコントロール、危機管理といったことです。前に進んでいくためには両方とも必要なことであり、二者択一を議論するようなことではないのです。

アクセルとブレーキは両方揃って初めて公道を走れる車として成立します。「信頼できるブレーキがあってこそ、アクセルをしっかり踏み込んでスピードを出せる」とも言えます。

新型コロナ問題は正体不明で未体験と書きましたが、多くの感染例があり、今年前半の国内の推移や海外の状況など、すでに判断材料になる情報はたくさん得られているのですから、それらを踏まえた危機管理方針を作ることはできるはずです。

つまり、現時点で考え得る最善のブレーキの用意があることを確認しつつ、アクセルを踏み込み、危険な時はスピードを落としてしっかりコントロールしましょう、と考えるのが経営的発想です。

 さて、7月も中旬となり、夏休みシーズンが目の前です。

温浴施設にとって、8月は1年間の中でお正月と並ぶ繁忙月。多くの人が「お休みで時間あるけど、どこへ行こうか」「風呂で汗を流してサッパリしたいな」と考えるシーズンですので、あらゆるイベント企画や販促に対する反応率が上がります。

度々申し上げていることですが、繁忙期にあえて仕掛けをぶつけて異常値を作り出すことで、通常時や閑散期の業績が一段階底上げされます。それを繰り返していくことで階段を上るように業績を伸ばしていくことができるのです。

多くの温浴施設が昨対で何割も集客や売上を落としている今、8月の繁忙期を逃す手はありません。

昨年を越えるくらいのつもりで強烈に仕掛けて異常値を作り出すことが、9月以降の業績の底上げにつながります。

萎縮したままこの機を逃せば今年はずっと低空飛行が続いてしまうおそれがあります。

もちろん、館内の感染拡大防止対策の徹底や、世の中の危機感が高まった時の営業方針の切り替え判断など、ブレーキはしっかり準備した上で、アクセルを踏み込むべきタイミングではないでしょうか。

(望月)

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