集客セオリーの変化

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今日は 2020年7月10日です。

集客セオリーの変化
 温浴施設コンサルティングをするようになってから、ずっと一貫して言い続けてきたことがあります。

「時間に余裕のある休日にゆっくり温浴施設を楽しみたいのが消費者心理。休日料金を設定して平日を安くすることで集客を平準化しようとするのは自然な消費者心理に逆らう。」

「お客さまから見れば平日料金が標準価格であり、せっかくお風呂に行こうと思った休日に料金が高くなっているのは、施設に対するマイナスイメージにつながる。」

「最大集客を狙うなら普通の施設は休日料金を設定すべきではない。休日の集客を抑制しても良いのは、休日に入館制限が頻発している超繁盛店だけ。」

「施設のキャパシティやスタッフの勤務シフトなどを考えれば曜日や時間帯の集客を平準化したいのはヤマヤマですが、それはあくまでも運営側の都合。基本的にお客さまの都合や欲求に合わせるのがマーケティングであり、運営側の都合を持ち出せるのは超繁盛店になってから。」

「入館制限が頻発するようになれば、お客さまが自分で混雑を避けて利用するタイミングを調整するようになるので、集客は自然に平準化に近づいていく。そうなった時の経営が最も理想的であり、それを目標にすべき。」

「日常的にリピート利用する温浴施設は、シーズン変動の大きい観光ホテルや利用頻度の低い飛行機とは違うのでイールドマネジメントはフィットしない。」

といったことです。これは温浴業界の中で決して主流の考え方ではなく、休日料金を設定している施設はたくさんあります。

そのため、上記のような考え方をお伝えしても、すぐにご理解いただくのは難しかったのですが、入館制限が頻発する超繁盛店の経営状態があまりにも素晴らしかったので、それを目指すことが正しいと言い続けてきたのです。

実際、入館制限が起きないような施設では、平日を安くすることでの客数増と休日の客数減が起きた場合、客単価まで考慮すれば売上や利益が増えているとは思えないのが現実でした。

ところが、今は「自然な消費者心理」の方が変化してしまったのです。

感染不安心理による3密回避やディスタンス確保のために、混雑しているところは嫌がられます。集客がコントロールされ、館内が混雑していない施設の方が安心ということになります。

さらにリモートワークなど働き方の変化によって、平日でも行動の自由度が高まっています。

このような状況下では、もはや一物一価と頑固に言い続けてはいられなくなりました。館内が混雑しないようにコントロールするべきであり、消費者側もそれを受け入れやすい心理になっているのです。

すでに混雑度の可視化に取り組む施設が増えてきていますが、この動きは予約制ダイナミックプライシングの導入につながっていくのだろうと考えています。

これからPOSシステムなど受付精算方式の変更を検討する際には、この点を念頭におく必要があります。

(望月)

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