ふと思いだしたこと

この記事は有料メールマガジンを一時的に無料にて公開しているものです。

有料メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」のご案内はこちら

==============================================================================

有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様

今日は 2020年7月2日です。

ふと思いだしたこと
 慎重に営業再開を見合わせていた公共温浴施設や本社が大企業の温浴施設、観光レジャー型の温浴施設も、この7月1日からほとんどが再開となりました。

国民はこれでようやく好きな温浴施設にいつでも行くことができるようになります。

とはいえ、感染不安心理はまだ払拭されず、人の動きは平常時の7割から8割くらいでしょうか。
https://mobaku.jp/covid-19/

インバウンドも日本への上陸拒否が当面続くようですので、まだまだ復活には程遠い状況です。

温浴施設にとっては、集客が7割から8割というのも大打撃ですが、もうひとつ厳しいのが飲食部門の落ち込みです。入館売上は8割でも飲食売上は5割といった具合で、飲食利用率が激減しています。

施設によっては入館料売上と同等以上に稼ぐのが飲食部門ですから、いつまでも低迷したまま厨房と調理スタッフを無駄にしてはおけません。

館内消費が伸びないなら外へ、ということでテイクアウトやデリバリー、ケータリング等を組み合わせて、期待以上の売上を作るケースも出てきました。

ここで気にしておかなければならないのは、街中の飲食店との本格的な競争です。館内飲食であれば他に選択肢がないので一定の需要が見込めたわけですが、外へ出たら街中の飲食店すべてが競争相手となります。

温浴施設の飲食部門が飲食店と争って勝負になるのか、と考えると一般的には微妙だと思います。普段なら予約しないと入れないような実力ある飲食店も今は大苦戦していますので、向こうも必死です。テイクアウトやデリバリーはもちろん、あらゆる知恵をふり絞って頑張っています。

そんな相手と争うには、真っ向勝負ではなく、温浴施設ならではの強みを生かしたら良いと思います。

弁当やオードブルなどに「〇〇の湯」というブランドを活かすことができれば、飲食店には真似できない強味になります。

「いやいや、『〇〇の湯』にそんなブランド力なんてないよ。」と思うかも知れませんが、そうでもないのです。

温浴施設の利用動機は飲食店とは違います。「癒し」「健康」「リフレッシュ」「リラックス」「憩い」「レジャー」といった価値は、飲食店ではなかなか真似できない強味になるのです。

今だったら「免疫力アップの健康食」「調理に源泉を使用」といった打ち出し方が有効になると思います。入浴グッズを一緒にデリバリーすることもできるでしょう。

そんなことを考えていたら、ふと「石焼き鍋」のことを思い出しました。

「石焼き鍋」とは以前このメルマガ第557号(2017年12月14日執筆)でご紹介した秋田県の漁師料理ですが、郷土の食材(魚介類や野菜)を杉桶にいれ、出汁は塩か味噌味で。そこに熱く熱した石を投入して作るのです。
https://gurutabi.gnavi.co.jp/a/a_2232/

石を入れた瞬間に出汁が沸騰する光景に圧倒されるので、宴会で披露されることが多いそうですが、元は漁師が浜で暖をとっているときに考えだされたものだとか。焼いた石を水に入れて湯を沸かす方法は最も原始的な風呂の作り方と同じです。

その石焼き鍋用の木桶と加熱用のサウナストーン、そして食材までセットにして自宅で豪快な漁師料理という提案。いまはちょっと季節はずれですが、「暑い季節に汗をかきながら鍋」というのも面白いかも知れません。

石焼き鍋はアイデアのひとつですが、いずれにしてもお風呂屋さんらしさを加えた飲食をぜひ考えてみてください。それは飲食店と争う必要のないブルーオーシャンです。

(望月)

Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter