泥縄式がベスト

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今日は 2020年6月25日です。

泥縄式がベスト
 2020年4月30日、緊急事態宣言の延長が確定的となり、休業要請を受けて営業休止していた温浴施設は再開の見込みが立てられないという状況に、何とかしなければと危機感を募らせました。

東京都に向けて休業要請区分の見直し嘆願書を書き、メルマガ読者の皆様に連名のお願いを呼びかけたのが5月3日。

翌4日に嘆願書を投函したものの、数名の名前を連ねただけの嘆願書では、おそらく事態は打開できないだろうということを実感。

翌5日にzoomを使ったオンライン集会の開催を思いつき、各方面に協力を要請。企画準備を進めて5月10日に告知開始、14日に開催。191名の参加者と情報を共有したところ、参加者からも業界一丸となっていく必要性についての声が上がる。

それならばと第2回目のオンライン集会を企画し、5月25日に告知開始、260名を超える参加者が集まり6月11日開催。

そこで新たな業界団体を立ち上げるのではなく、どこにも属していない温浴施設と、温浴に関係する既存団体が緩やかにつながるネットワーク(元気玉プロジェクト)を提案し、6月23日に募集開始。25日現在ネットワーク登録者は80名を越えました。これからもっと多くの方々にご参加いただきたいと思っています。

…ということで、2ヶ月前には自分自身がまったくイメージもしていなかったようなことを今やっているわけです。

本業のコンサルティング業務が一部休止になったりオンライン化したことで時間があったからできたとも言えますが、もし4月末の時点で、「温浴業界全体をまとめる」という遠大な目標をもったとしても、その難しさに結局何ひとつ身動きは取れなかっただろうと思います。

目標や計画があるわけではなく、「良い」と思ったことは会社が潰れたり人生が破綻するようなよほどのリスクがない限りやってみる。やった結果見えてくる新しい世界があり、そこでまた次の手を思いつく。その繰り返しです。

このような考え方を教えてくれたのは、師匠の舩井幸雄です。前職の船井総研では「泥縄式」と呼ばれていました。

泥縄式というのは「泥棒を捕らえて縄をなう」の意から、事がおこってからあわてて対策を立てたり準備をしたりすることを指しており、どちらかというと準備不足で後手に回ることを諫める意味で使われる言葉なのですが、船井総研ではこの泥縄式を良しとする社風でした。

今はどうだか分かりませんが、私が在籍していた当時は、例えばセミナーの企画を思いついたら、まずタイトルと講師、日程を決めて、空いている会場を見つけたらすぐ告知をスタートしてしまうのです。告知から開催まで最短でも1ヶ月ほどありますので、詳細な内容は開催までの準備期間中に詰めていきます。

もしこれが先に内容をすべて考えて、レジュメを作って、完全に準備が整ってから開催を決定するという順序だったら、なかなかセミナーの開催は実現しないでしょうし、実現できたとしてもすごく時間がかかってしまうでしょう。

受け身で対応が後手に回るというネガティブな意味ではなく、積極的にスピーディに事を進めるには泥縄式が良いというポジティブな意味で「泥縄式」という言葉が使われていました。

新型コロナウイルスという、人類にとって初めての課題にどう対処すべきなのか、正解は誰も知りません。立ち止まって正解を考えているだけではいつまでも身動きがとれなくなるだけでしょう。

中途半端でもドタバタでもいいからとにかくやってみる。結果良好ならもっと先へ進めば良いし、問題が見えてきたらすぐに軌道修正する。そうやって泥縄式に動いていかなければ、この未曽有の危機を乗り越えることはできないと思います。

(望月)

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