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今日は 2020年6月18日です。
◆ジャブから活路
ようやく営業再開したものの、消費者の外出控え傾向は続いており、集客は本来の水準よりも大幅に落ち込んだまま。
せっかく来てくれたお客さまには「おしゃべりは控え目に」「短時間のご利用を」「飲食は必要最低限に」と呼びかけ、客単価も激減。
感染拡大防止対策で館内の一部を使用休止にしたり、スタッフは消毒等の作業負担が増大。
「一体自分たちは何をやっているのか。このままでは経営は到底立ち行かない…」と気づき、そろそろ反転攻勢に出なければ…と考えている温浴施設が多いと思います。
しかしこれまでのように割引やイベントを派手に打ち出して集客を促進するのは、館内に密を作り出すことになりますし、自粛批判の対象になりかねないという心配があります。
スポーツに例えれば、守備一辺倒では決して勝てませんし、攻撃しなくてはと思っていても、反撃を恐れて踏み込めずに遠い間合いでいくら攻撃を振り回したところで当たらない。そんな状態でしょうか。
そんな時、事態を打開するのは一撃必殺の大技ではありません。
ボクシングで言えば細かいジャブです。左ジャブを打ちながら相手との間合いを測り、体勢を立て直してチャンスをつくる。
劣勢でいきなり大きなパンチを振り回しても決して当たりませんし、余計に疲れてしまうだけなのです。
では温浴施設にとって、ジャブとは何か。
それは、「温浴による健康増進」の打ち出しに他ならないと考えます。
入浴して温まれば調子が良くなり、心身の疲れが取れる。これは誰もが知る温浴効果であり、副作用なしの万能健康法です。
コロナ感染不安が払拭できない中で、集客を主目的にしたイベントやキャンペーンは、やる方も腰が引けがちですし、批判を受けてしまう恐れもありますが、今「健康増進」に文句をつける人はいないでしょう。
また、この健康増進路線は、感染不安心理が終息しても長期的・不可逆的に続く強い流れであると考えます。
再びコロナの流行が拡大したり、万が一自分が感染することになっても、無症状や軽症で済ませられるように、普段からの体調管理が大事だと思うようになる。
さらに言うと、経済不況によって生活や将来の不安が高まった時、貯蓄や保険、年金といった金銭的なアプローチだけでは不安は払拭しきれません。いつ何があっても対処できるよう、結局は自分がいつまでも元気で居続けること、つまり「身体が資本」「健康第一」「生涯現役」という考え方に行きつくのです。
このテーマは、温浴だけでなく食や運動、睡眠、環境、情報などと様々に組み合わせながら、自社の経営資源を大きく膨らませていくことのできるテーマです。細かいジャブから強力なパンチにもつながると考えています。
(望月)