オンライン化という不可逆的な流れ

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今日は 2020年6月17日です。

オンライン化という不可逆的な流れ
 前号で「感染不安心理に起因する現象は短期的・一過性の動きであり、長期的・不可逆的な流れこそ重要」と書きました。

長期的・不可逆的な流れの中でも特に重大なことは経済大不況ですが、それだけではありません。

もうひとつの大きな流れが「オンライン化」です。

怒濤のようなオンライン化の流れが起きたきっかけは、人との接触を避けたいという感染不安心理によるものですが、いずれその心理が解消したとしても元には戻らないでしょう。

それは、オンラインの方が合理的であることを多くの人が実感してしまったからです。

先日のおふろ&サウナサミット6.11で、「こんなにたくさんの温浴関係者が集まれたのもオンラインだから」ということを申し上げましたが、仮に250名以上の人をリアルの会場に集めようとしたら、かなりの大ホールを借りなければなりません。

その会場費用を考えれば無料開催自体が困難です。オンラインだからこそ実現できたと言えます。

これはイベントに限った話ではなく、通勤や出張といった仕事での移動も同じです。

毎日の通勤をやめれば、交通費と移動時間が浮きます。仮に交通費を1日1,000円、通勤のための往復2時間は時給換算で3,000円の価値とすると、1人あたり年間約100万円のコストが別のことに使えるようになる計算です。

出勤人数が減るなら、オフィスの面積を小さくしたり、環境が良くて賃料の安いところに移転したりといったことも可能になります。不動産コストも多くの企業にとって大きな比率を占めている支出ですので、今後オフィスの縮小や移転に踏み切る企業が続出するでしょう。

都心などのビジネス街ではオフィスの空き物件が増え、飲食店や理美容室をはじめ周辺の就業者マーケットをあてにしてしていたところは商売が難しくなります。逆に住宅街に近接した生活圏では昼間人口が増えるので、活気が出てくるはずです。

いまだ閑散としている銀座の街を見ていると、この動きは数か月のうちに決定的なものになると思います。

そして、この立地移動の流れが吉と出る温浴施設は多いのではないかと予想しています。

もうひとつ注目しておくべきなのが、オンライン化の流れに乗れない企業と人が出てくるということです。オンラインで生産性を発揮するためには、一定レベル以上のビジネススキルとITリテラシーを両方駆使する必要があります。

業種・職種としてはオンライン化できるのに、その流れに乗れずに業績を落とす企業や、職を失う人がある程度出てしまうのは避けられないでしょう。

そうすると、今まで人材確保難で苦しんでいた業界にも人材が流入してくることになります。

勿論、温浴施設としては業績が回復しないと新たな雇用はできませんが、もう人材確保難が成長の足かせになるということはなくなるのではないでしょうか。

(望月)

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