さざ波と津波

この記事は有料メールマガジンを一時的に無料にて公開しているものです。

有料メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」のご案内はこちら

==============================================================================

有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様

今日は 2020年6月16日です。

◆さざ波と津波
 この数ヶ月間の新コロ騒動によって、世間の様相は一変しました。

人は感染を恐れて外出しなくなり、温浴施設に限らず、店舗集客型の業種は惨憺たる状況となっています。

一方でオンラインビジネスや巣ごもり関係、衛生関係などに消費が向かい、急伸しているビジネスもあります。

ふと思いついて、これまでに起きた現象を「コロナで上がったものと、下がったもの」に分けてキーワード的に書き出してみました。

書き出しているうちにとても書き出しきれないことに気づくほど、社会のありとあらゆるところに影響が出ているのですが、この作業をやってみて分かったことがあります。

それは、現在起きている社会現象のほとんどは「感染不安心理」に起因するものだということです。感染するのが怖い、移されたくない、死にたくない。

過去のメルマガでも何度か書いているように、「人類からアメーバまで生き物は皆そうなのですが、快楽やメリットよりも、危険なことに最も敏感に反応します。反射的に素早く危険を回避する本能が備わっているのです。」という根本原理が働いています。

しかし、数か月経ってだんだん明らかになってきた新型コロナウイルス感染症とは、ほとんどの人にとっては無症状か軽症。重症化や致死リスクと騒いでも、冷静に他の病気や事故のリスクと比較すれば、本来そこまで大騒ぎするようなことではなかったのです。そして完全に感染を防ぐことも難しいとなれば、いずれインフルエンザのように性質の悪い風邪がひとつ増えたくらいに受け止めるしかないのです。

麻疹や結核だって怖い病気ですが、それで社会がパニックを起こすことはもうありません。

とすると、いま起きている感染不安心理に起因するコロナパニックとも言うべき社会現象は、いずれ必ず沈静化、解消の方向に向かいます。アフターコロナと言いますが、真夏のマスク着用とかなんでもかんでも消毒とか、そのようなおかしな生活様式が永遠に定着するとは到底思えません。

沈静化、解消に向かうのが数か月後なのか、それとも数年かかるのか、それはまだ分かりませんが、感染不安心理に起因する現象は短期的・一過性の動きと捉えた方が良さそうです。

勿論、短期的とは言え数か月から数年となれば経営的な影響は甚大。沈静化する前に経営破綻してしまっては元も子もありませんから、緊急対策は打たなければなりませんが、それ以上にこれから注視していかなければならないのは長期的・不可逆的な変化です。

大きな施設と設備を構えて商売する温浴ビジネスは、身軽に素早く変化することが苦手ですから、長期トレンドに乗ることがもっとも大切。元に戻らないこと、今後も続く流れに対しては着実に布石を打っていかなければならないのです。

いま見えている長期的・不可逆的な変化とは、経済大不況でしょう。部分的に伸びている業種や業界はあっても、社会全体としてはとんでもないダメージを受けてしまいましたから、逆風となった企業は減収減益、破綻が相次ぎ、多くの雇用が失われます。

コロナ感染拡大の第2波が来るかもと話題になっていますが、来ても来なくてもさざ波のようなもので、その奥からやってくる生活不安や将来不安という巨大津波こそが恐ろしいと思っています。

温浴施設が、生活不安や将来不安を抱える消費者に提供できることは何だろうか。今はそこを必死に考えています。

(望月)

Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter