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今日は 2020年6月10日です。
◆元気玉プロジェクトとは
私が温浴の仕事をするようになってから25年くらい経つのですが、今まで「温浴業界でまとまったひとつの団体があったらいいのに…」と思ったことは数えきれません。
このメルマガにもそのことを幾度となく書いてきました。
最初にそう思ったのはたぶん市場調査の場面です。他の業界で使う調査分析のアプローチを温浴に当てはめようとしても、そもそも統計データがない。信頼性が高い数字は厚生労働省の「衛生行政報告例」くらいで、市場規模すら正確に分からないのか温浴業界でした。
業界団体の存在を一番強く願ったのは災害の時。東日本大震災の被災地でドラム缶風呂やテントサウナを自作して入浴支援。豪雨による浸水被害で大量のタオルが必要になった地域に中古タオルを送付。しかし巨大な自然災害に対してちっぽけなことしかできない自分の無力を思い知らされるのです。
レジオネラ菌事故、温泉ガス爆発、岩盤浴バッシング…温浴施設で事故が起きれば風評被害が広がり、該当施設だけでなく、周辺地域や業界全体にもダメージが及びます。単独施設がいくら反論や安全宣言をしたところで焼け石に水。
こういったことを書いていると愚痴ばかりになってしまうのですが、今回のコロナショックでも同じようなことを感じました。行政とのやりとりや業界の公式ガイドラインといった問題に対して、他のもっと市場規模が小さい業界でもしっかり対応しているのに、温浴業界全体ではうまく対応できずにいました。
東京都に陳情書を提出して、また無力さを思い知ったりもしましたが、今回は「温浴業界でまとまったひとつの団体があったらいいのに…」とは思わなかったのです。
それは、コロナショックを通じて今回いろいろ分かったことがあったからです。
・陳情書が数名の有志によるものではなくて、多数の業界関係企業の名前が入った公式な申し入れだったら東京都も無視できなかったはず。
・サウナ・スパ協会をはじめ既存の温浴関連業界団体にはそれぞれ行政とのパイプがあるし、早い段階で独自ガイドラインを作っているところもあった。
・サウナイキタイの応援プロジェクトのように、できることだけに絞って応援を募れば小さな支援が集まり、それはやがて大きな力となる。
・大きなことや難しいことをやろうとすれば資金が必要だが、資金集めが先行したら信頼されないし、協力は拡がらない。
・温浴業界の行く末を心配し、力を貸してくれようとする人たちはたくさんいる。それがまだ連携できていないだけ。
これらを考えていくと、無理してまた新たな業界団体を立ち上げるとか、自分で難しいことを解決しなければと焦らず、ただ多くの温浴関係企業がゆるやかに繋がっていくことだけを目指せばいいのではないかと気づいたのです。
繋がりさえできれば、次のステップとして解決できるようになることもたくさんあるでしょう。
ずっと「誰かが温浴業界団体をまとめてくれればいいのに…」と思っていたのですが、前回のおふろ&サウナサミット5.14に191名、今回のサミット6.11にもすでに200名を超える参加者が集まっているのですから、これをきっかけにオンラインで繋がりが作れるのではないかと思っています。
これが温浴業界の元気玉プロジェクトです。誰かにやってもらうのを待つのではなく、みんなが参加するだけで大きな力が生まれるはず、と期待しています。
(望月)