安心感と暑熱順化

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今日は 2020年5月30日です。

◆安心感と暑熱順化
 もうすぐ6月。気温が上がってきています。昨日は営業再開したばかりの温浴施設の様子を見に行って、朝イチで入浴してきましたが、その後もなかなか汗が止まりませんでした。

1ヶ月半ぶりの営業再開となった施設は、玄関前の行列間隔表示から始まって各種感染拡大防止対策がしっかり施されており、安心感がありました。

ニフティ温泉によって「新型コロナで変わる利用者の意識」調査(実施日: 2020年5月15日(金)〜2020年5月22日(金)、対象者:ニフティ温泉の利用者、有効回答数: 2,647人)が実施されました。
https://niftylifestyle.co.jp/news/2020/05/26/p558/

Q.「緊急事態宣言解除後に日帰り温浴施設に行きますか?」という問いに対し、
A.「今まで通り行く」と回答した人は35%で、残りの65%は様子見や近場でお風呂だけなど、何らかの利用控え心理になっています。

最近「営業再開しても集客や売上は元通りにならない」ということを繰り返し申し上げていますが、それは消費者アンケートを見ても明らかなのです。

また、
Q.「緊急事態宣言解除後の温浴施設を選定するポイントについて」
という問いに対し、緊急事態宣言前は「おふろの形態や泉質」が最も重視(79%)されていたのに対し、現在最も重視されているのは、
A.「新型コロナウイルス対策」(63%)
と変化しています。

不安心理から温浴施設利用控えとなっている大多数の消費者に対して、今もっとも伝えなければならない情報は設備の魅力でもイベントやお得なキャンペーンでもなく、「安心感」なのです。

 ところで、これから夏に向かい、猛暑日となれば、またテレビで大々的な熱中症キャンペーンが繰り広げられることでしょう。例によって「不要不急の外出は控えましょう」とさかんに呼びかけがなされるのです。

2019年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は71,317人。同時期の熱中症による死者数は126人です。(総務省消防庁発表)
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/heatstroke_geppou_2019.pdf

この数字を見ると、昨今の新型コロナウイルスによる死者数よりもさらに少ないことが分かります。

熱中症問題も、交通事故死や自殺などの他の死因と比較すれば、マスコミの過剰なキャンペーンであったということです。リスクのひとつであることには違いありませんが、そこばかりを気にして必要以上に怖がるのはアンバランスだということです。

ただ、今年はおそらく熱中症リスクが例年よりも高まるでしょう。通常であれば運動で汗を流したり、日光にあたったりしながら、夏に向けて徐々に身体が暑さに慣れていくのですが、今年はコロナ問題による自粛で多くの人が外へ出ていませんでしたから、体温を調整する働きが鍛えられていません。

さらにマスク着用で呼吸による温度調整も妨げられるとなると、熱中症になってしまう危険性が高まっているのです。

昨年のメルマガ第1020号「夏が来ます」(2019年7月22日)で、「猛暑日になれば、またテレビで大々的な熱中症キャンペーンが繰り広げられることでしょう。黙っていると単なる外出控え現象になってしまいますから、温浴施設としては『汗腺トレーニング』や『暑熱順化』を訴求して対抗してください。」と書いたのですが、その暑熱順化が不足しているのが今年です。

今夏こそ、温浴による『汗腺トレーニング』や『暑熱順化』を訴求するのが、温浴施設の重要な役割になると考えています。

(望月)

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