この記事は有料メールマガジンを一時的に無料にて公開しているものです。
有料メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」のご案内はこちら
==============================================================================
有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様
今日は 2020年5月21日です。
◆重要なピース
今日は関西圏の緊急事態宣言解除のニュース。命か経済かといった極端な議論は減り、世の中の動きが日に日に活発になってきている感じがします。
ところで、ジグソーパズルをやったことはありますか?
私は中学生の時期にハマり、数千ピースの大作にもチャレンジしたことがあります。大きなジグソーパズルは完成まで何日もかかる根気のいる作業で、はじめは大量のピースの山を前にして、呆然としたのを覚えています。闇雲にとりかかろうとしてもどこから手を付けていいのかすら分からないのです。
ジグソーパズルを完成させるには手順があります。
(1)最初に2辺が直線という特徴を持った四隅のピースを見つける
(2)次に1辺が直線のピースを集め、色柄を見ながらつなげて枠を完成させる
(3)残ったピースは色柄の似た仲間同士でグルーピング
(4)特徴的なピースを中心に分かるところからつなげていく
(5)手詰まりになったらいったん諦めて他に分かるところを探して進める
という手順です。
前回の記事で、「このコロナショックで、一度にあまりにも多くのことが変わってしまい、それらがもたらす複合的な影響はまだ想像がつきません。」と書きましたが、今の状態は上記ジグソーパズルの手順で言うと、まだ(1)の特徴的な四隅のピースを探している段階です。
しかも、パズルと違って完成図は誰も持っていないのです。
いまはっきり分かってきた動きは、
・パンデミックの恐怖が刻み込まれ、衛生観念が大きく変わりつつある。
・収入減や失業で個人消費の原資が失われ、経済の早期回復は困難。
・リーマンショックや東日本大震災を上回る経済ダメージ不可避。
・短期的には自粛の反動で旅行やレジャーへの渇望があるが、長期的には需要低迷。
・免疫力や健康増進への関心は高まる。
・オンラインコミュニケーションやキャッシュレス化がもたらすデジタルシフトの加速。
・大都市一極集中の意味が薄れ、地方分散型社会への移行が進む。
・在宅勤務やリモートワークで生活時間の多様化。
・東〜東南アジア圏では欧米ほどの影響を受けていない。感染拡大を防いだファクターXの存在。
・国際間(特に米中)の緊張の高まり。
といったことで、これらの中から四隅のピースが見つかってくるだろうと思います。
そこから枠をつなげていけば、アフターコロナの全体像がイメージできるようになってくるでしょう。つまり、温浴マーケットがどのように影響を受けるのかを考え、戦略を立て直すことができるのです。
時間的な猶予はあまりなさそうです。こんな時こそ冷静な大局観が重要だと思っています。
(望月)