営業再開に向けて(11)〜会社を潰さないために

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今日は 2020年5月2日です。

◆営業再開に向けて(11)〜会社を潰さないために
 緊急事態宣言延長ですが、新コロ問題終息の見通しは立たず、この状況がいつまで続くのかも分かりません。

単独で温浴施設を運営する企業の財務的な余力は乏しく、すでに倒産や廃業も現実のものとなりつつあります。

これ以上長期化すれば、バタバタと倒れる企業が続出するのが目に見えています。

会社を潰さないために、と言っても時間稼ぎでしかありませんが、基本的にはキャッシュインを増やし、キャッシュアウトを止めるための、ありとあらゆる手を打つということです。

キャッシュインについてはこれまで書いてきたように、なんとか事業活動を再開して、縮小営業でも何でもいいので、施設を回すことが第一です。また宅配やテイクアウト、ドライブスルー、通販などの新規事業の立ち上げも全速力で進める。これらによって少しでも現金収入を増やし、各種支払いの原資をつくる。

もうひとつが資金調達です。緊急事態ということで、既存の借り入れとは別枠の融資制度が準備されています。日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」、各自治体が窓口となる「新型コロナウイルス感染症対策特別資金」などがあり、売上減少の要件に合致すれば審査の対象となりますので、もしまだ相談していないようならすぐ問い合わせてみてください。

金融機関以外の資金調達については個別事情によるので、ここでは書けませんが、過去の経験上、死に物狂いであたってみると意外にいろいろあるものです。

そしてキャッシュアウトをできるだけ止めること。とは言っても約定日に支払うべきものを勝手にストップすれば、会社の信用は一気になくなり、結果的に倒産に向かうことになります。

支払いを止めたり猶予してもらうことが可能なものとそうでないものを区別して、相手によく相談の上で支払日を調節してもらうのが原則です。

相手先別に考えると、
・借入返済…返済期日前にリスケの相談。この状況ですから、応じてもらえる可能性は高いと思います。黙って返済をストップするのは口座の凍結や貸し剥がしといった最悪の状況に向かいますので、絶対に事前相談してください。

・賃料…地代や建物の賃料についても支払い猶予の可能性は充分にあります。オーナー側も自治体の家賃減額助成金等が使える可能性がありますので、それらも踏まえた相談が必要です。
https://www.mlit.go.jp/common/001342197.pdf

・公租公課、公共料金…国土交通省において公租公課の支払い猶予等と事業者への適用可否を一覧にとりまとめています。国税や地方税、社会保険、電気、ガス、水道、NHK、電話代などですが、政府から支払い猶予措置の要請が出ていますので、確認してください。
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/131901/files/2020020300063/R20326kousokoukasiharai.pdf

・人件費…話題の雇用調整助成金は申し込みが殺到しており、また手続きが難しいため、なかなか支給されません。実際に支払われるとしても何か月も先になってしまうようです。社労士さんと相談して手続きは進めつつも、短期的な資金繰りの方策としてはあてになりません。時給で雇用するパートさん、アルバイトさんについては、おそらくシフトが組めないことで大幅に減っていると思われます。固定給の社員については、支払わなければなりません。どうしても雇用が維持できなければ会社都合での解雇を行い、失業保険を得てもらうことになるでしょう。マッサージ等の個人事業主は売上が50%以上減少していれば持続化給付金の対象となりますので、その手続きを進めてもらう必要があります。いずれにしても、人件費の削減については相手にも生活があり、予定していた給与がどれほど大切かという事情は人それぞれにありますので、一方的に遅延や不払いを起こしてはなりません。

・取引先…仕入れや資材購入などの取引については、個別相談です。相手が資金繰りに余裕があれば支払いを待ってもらえる可能性もありますが、人件費と同様に財務事情はそれぞれですので、勝手に支払いを止めることはできません。いったん信用を失えば、後々の取引全般に支障が生じますので、事前相談して頭を下げて、支払い猶予に応じてもらえるかどうか頼んでみるしかないのです。

ありきたりのことしか書けませんが、これらすべての手を打って、企業の血液である現金をできるだけ手元に残すことが、会社を潰さない方法です。

経営危機に陥った時、あっさり倒れてしまう企業としぶとく生き残り続ける企業があります。それはここに書いたような方法をどれだけ徹底的にやり抜けるかどうかの違いであり、元々の企業体力や経営戦略云々ではなく、生命力の差としか言いようがないのです。

またお客様の笑顔と事業の発展を目指す日々が戻るまで、どうか一緒に頑張って生き残りましょう。

(望月)

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