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今日は 2020年4月22日です。
◆免疫力と医者いらず
前回の記事では「免疫力アップが注目される」と書きましたが、これは実に難しいテーマなのです。
例えば、「免疫って何?」「免疫力をアップするにはどうしたらいいの?」という質問に、自信をもって理路整然と答えられる人が今どれだけいるでしょうか。
ほとんどいないだろうと思います。
Wikipediaで調べても、免疫、免疫学に関する記載はわずかしかありません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%8D%E7%96%AB_(%E5%8C%BB%E5%AD%A6)
Wikipediaの「免疫」のページの書き出しには、
──免疫(めんえき、immunity)というのは実体的な言葉で、感染、病気、あるいは望まれない侵入生物を回避するために十分な生物的防御力を持っている状態を指す。──
とあります。これが簡潔にまとめた免疫の基本概念と言えるでしょう。
しかし、その歴史を読むと、人類は大昔から免疫に関心を持っていたものの、それが免疫学という学問として形になっていったのは19世紀末頃のことのようです。
本来、人が健やかで幸福な人生を送るために、免疫力や自己治癒力というのは極めて重要なテーマのはずです。
それにも関わらず科学の隅っこに追いやられたような扱いになっているのは、それが医薬業界から見てあまり商売にならないからだろうと思います。
人が自分の力で病気を遠ざけ、治癒してしまうのであれば、医者や薬が活躍できる場面は大幅に減ってしまいますから。
医療費の市場規模は42兆円、医薬品は10兆円。膨張し続けたマーケットは常に多くの患者(消費者)を必要としている…とも言えるのではないでしょうか。
昔から、世界中に「なんとかは医者いらず」といった諺がたくさんあります。
・「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」
・「トマトが赤くなると医者が青くなる」
・「海苔は1日2枚で医者いらず」
・「医者を殺すにゃ刃物はいらぬ朝昼晩と梅を食え」
・「味噌は医者いらず」
・「腹八分目に医者要らず」
食に関する言葉が多いですが、食以外にもあります。
・「笑いは人の薬」
・「早寝早起き病知らず」
・「サウナは貧乏な人の薬局である」
・「風呂の中でお茶を飲むと風邪が治る」
・「入浴は七病を除き七福を得る 」
こんなことを書いていますが、現代医学をすべて否定したいわけではありません。医学の発達によって人類が救われていることもたくさんあると思います。
しかし、なんでもかんでもすぐに医者や薬を頼ろうとすることはバランスを欠いているのではないか?という疑問も感じるのです。自分の免疫力や自己治癒力を正常に保ち、病気にならないよう養生することが先であり、それで解決できない時のために医療があるのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症は、まだ治療法や特効薬が確立せず、病院は医療リソースの限界や院内感染のリスクを露呈しています。
「テレビで免疫力アップには発酵食品が良いと言ってた」と噂になって、いきなり食品スーパーの納豆が売り切れる現象は、養生ではなくサプリメントや薬に頼る安易な心理と同じことです。
そうではなくて、誰もが知る生活習慣や養生訓として「医者いらず」の知恵が失われないようにしなければならないと思います。
「温浴」は、その重要な役割のひとつを担っているのです。
(望月)