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今日は 2020年3月11日です。
◆免疫力と巣籠もり
今日は3.11。昨今新コロショックによる自粛や不謹慎狩りムードは、9年前の東日本大震災当時のことを想起させます。ウイルスと放射能という目に見えない恐怖、それを煽り立てるマスコミ報道、経済活動の停滞といった点も共通しています。
しかし、ぜんぜん違うのは、新コロナウイルス感染によって重症化や死亡に至るような実質的な被害にあっている人はまだごくわずかということです。
東日本大震災による死者数は約2万人。年間自殺者数は毎年約2万人、インフルエンザ関連死は毎年3千人、お餅による窒息死は1月だけで1,300人とか。これらに比べて、未知の感染症とは言え新型コロナの影響はどう考えてもそこまで大きいものではありません。
本来は社会全体を巻き込んだパニックになるようなことではないはずで、ひとりひとりが冷静に対処することが大切だと思います。
しかし、目の前の現実問題として外出控えや相次ぐ営業自粛が起きており、このまま黙って嵐が過ぎるのを待っているだけでは経営的なダメージは避けられない情勢です。
政府が推奨するオフピーク通勤やテレワークも店舗集客型ビジネスの対策としては当てはまりません。
どうするか。いま温浴施設がキャッチしやすい強い風は「免疫力アップ」と「巣籠もり消費」だと思います。
入浴による免疫力アップ効果は言わずもがな。飲食、ボディケア、アロマ、物販、睡眠…様々なアプローチで消費者の健康増進と免疫力アップを応援できるのが温浴施設です。健康な人なら感染しても軽症か無症状で済むのですから、怖がっているよりも体調管理の方が大切ということを声を大にして伝えましょう。
そして、もうひとつの巣籠もり消費も見逃せません。家ナカ消費とも言われ、外に出掛けずに自宅でネット通販で買い物し、ネットゲーム、宅飲み、人をダメにするクッション…昨今こういった消費スタイルが増えていましたが、この新コロ騒動で圧倒的に巣籠もり化しています。
それでは来館してくれないと思うかも知れませんが、他の業種(店舗集客型ビジネス)に比べると温浴施設の集客数は総じてそこまで落ちていません。そこには前述の免疫力アップへの期待という力が働いていると思います。
だとしたら、ゆとりができている厨房と飲食部門人材を活用して、テイクアウトの弁当やお惣菜という新しい商品に取り組んだり、さらにデリバリー事業に取り組むきっかけにもなる可能性があります。
東日本大震災の後、宿泊事業がストップする中で突然通販事業をはじめた峩々温泉。熊本地震の被災から立ち上がり、果敢にリニューアルした湯らっくす。源泉ストップ15か月の休館に耐えて営業再開したナステビュウ湯の山。
経営危機の時こそ、底力が試されているのです。
施設を構え、来館してもらわないと商売がはじまらないと思うのは思い込みに過ぎません。あらゆる経営資源をフル動員して、スピーディーに多様に事業展開をはかることが、環境変化に負けない企業です。
(望月)