休館判断について

この記事は有料メールマガジンを一時的に無料にて公開しているものです。

有料メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」のご案内はこちら

==============================================================================

有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様

今日は 2020年3月3日です。

◆休館判断について
 先週から公共温浴施設の経営診断のために福岡県に来ているのですが、その診断対象である施設が昨日から3月20日まで新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館。

先週「リスクを重視する公営施設では営業自粛の判断が増えるだろう」と書いたばかりですが、まさか自分が現在進行形で関わる施設がそうなるとは思っておらず、ちょっとショックでした。

もしかして、全国的に公営温浴施設は上から営業自粛のお達しでもあったのかと、過去に関与した公営温浴施設のサイトを一巡したのですが、まだ休館になっているところは少なく、ひと安心。

しかし公営温浴施設はたいていSNSも運用しておらず、広報に即時性がないところが多いので、実際のところはまだわかりません。

民間の名前が知られた温浴施設でも、現時点で
・スパワールド(大阪府)
・コトリの湯(長野県)
・天然温泉かきつばた(愛知県)
・東京染井温泉SAKURA(東京都)
といったところがすでに休館しています。

休館はしなくても、この外出控えやイベント自粛ムードの中、多くの温浴施設では集客が平常時より1〜3割ダウンしているようです。この騒ぎが収まらないと、さらに集客への影響が大きくなってきそうです。

せっかく下げ止まりつつあった温浴マーケットの縮小も避けられそうにない情勢です。

「危機管理とは最悪の事態を想定して最大限に備えること」と何度か書いてきているのですが、社内で感染者が発生したといったことでない限り、現時点で休館はやや過剰反応という印象も受けます。備えることと慌てることは違います。

「高齢者の集まる場所は危険」という指摘があり、温浴施設もそのひとつと言えなくもないですから、世論の行方は気になります。一方で、訪日外国人の多かった温泉地で感染例が出ていないことから、温度や湿度がウイルスの活動を弱めているのではないかという指摘もあります。これらはまだ情報が少なく、充分に分析されていないので何とも言えません。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59517

もし全国的にさらに自粛ムードが強まり、休館する温浴施設が多くを占めるようになれば、いくら頑張って営業を続けても逆に批判を受けてしまうでしょう。そうなっても営業を継続するべき、とは申し上げられません。

いつもは温浴業界の横並び志向をやめましょう、ということを申し上げていますが、今回新コロ騒動に対する休館判断は横並びで良いと思います。今のところ、先行休館することにはそれほど意味があるとは思えません。

今は、政府が3月10日をめどに緊急対応策第2弾と言っていることが気がかりです。感染そのものの恐さよりも、社会的混乱の方に恐ろしさを感じます。この危機を賢く乗り切りたいものです。

(望月)

Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter